東京都あきる野市きらら歯科院長の渡部和則です。
近年では一番奥の歯を除いて保険でほとんどの歯(単冠と言われるブリッジ以外の歯)に白い歯を入れられるようになってきています。
今回最近患者様からも歯科医師・歯科技工士からも注目されている白い歯CADCAM冠(キャドキャム冠)について解説したいと思います。
CADCAM冠とは?
CADCAMとは、Computer aided design/Computer aided manufactureの略でコンピューターで設計し、コンピューターの指示のもと機械で製作する最新の技術を使用した人工歯です。
CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は、現在では保険の効く白いかぶせ物になっていますが、以前は保険適用外でした。
しかし、2014年先進医療から、健康保険診療に導入されることが決まり、当初一部の歯(小臼歯)に限って保険適用となりました。
2020年からは保険適用範囲が増え、第一小臼歯・第二小臼歯・下顎第一大臼歯に対して保険適用になりました。
CAD/CAM冠はプラスチックとセラミックを混ぜ合わせたハイブリッド構造であり保険がききます。CAD/CAM冠も従来からの銀歯ではありませんので自然の歯に近い色合いです、金属アレルギーにも有効です。
自費の白いかぶせものに比べると美しさ、強度では劣りますが保険で出来るお勧めの治療法です。 CAD/CAM冠を保険診療として算定するためには、以下の施設基準を満たしている必要があります。そのためすべての歯科医院で受けられる治療ではありません。
CADCAM冠施設基準
- 歯科補綴治療に係る専門の知識及び3年以上の経験を有する歯科医師が1名以上配置されていること。
- 保険医療機関内に歯科技工士が配置されていること。なお、歯科技工士を配置していない場合にあっては、歯科技工所との連携が図られていること。
- 保険医療機関内に歯科用CAD/CAM装置が設置されていること。なお、保険医療機関内に設置されていない場合にあっては、当該装置を設置している歯科技工所と連携が図られていること。
きらら歯科では上記施設基準を全て満たしているため、CADCAM冠治療をいつでも行うことが可能です。
CAD/CAM冠ハイブリッドセラミックスのメリット
審美性
天然歯に近い透明感と艶のある仕上がりです。プラスチックが着色などで色が変わりやすいのと比較して、表面が滑らかで汚れやプラークがつきにくく美しい白さを長く維持できます。
金属不使用
金属アレルギーを起こしたり、金属によって歯肉が黒ずむ心配が低くなります。
ちょうど良い硬さ
歯質と同程度の硬さのため、噛みしめた時の歯や骨にかかるダメージを吸収してくれるうえ、破折に強い素材です。
2020年9月からCADCAM冠の適応範囲が広がりました
従来より以下の写真の緑色の歯および、濃い青色の歯(条件付き)は保険でも白い歯を被せることができましたが、2020年9月1日からCAD/CAM冠の適応範囲が拡大し、前歯も保険適用可能(オレンジ色の部分)となりました。笑ったときなどに人から見える前歯部は、顔の印象に影響を与えるため、治療した歯の見た目のきれいさ(審美性)が臼歯部よりも求められます。「CAD/CAM冠用材料(Ⅳ)」では審美性を満たすため、3層以上の積層構造(グラデーション)であることが材料の要件となっています。
費用は?
保険を適用できる歯に制限はありますが、CAD/CAM冠(キャドキャム冠)は、品質、見た目の自然さ・美しさを加味すると、非常に安価といえます。患者様にとってメリットの多いかぶせ物のひとつとして、当歯科医院ではCAD/CAM冠(キャドキャム冠)をおすすめしています。
前歯の場合(計8500円)
- 型どりの際(754点)3割負担の方で2500円程度(再診料その他管理料込みの目安)
- セット(歯が入るとき)の際(1883点)3割負担の方で6000円程度(再診料その他管理料込みの目安)
小臼歯の場合(計7500円)
- 型どりの際(754点)3割負担の方で2500円程度(再診料その他管理料込みの目安)
- セット(歯が入るとき)の際(1561点)3割負担の方で5000円程度(再診料その他管理料込みの目安)
大臼歯の場合(計8000円)
- 型どりの際(754点)3割負担の方で2500円程度(再診料その他管理料込みの目安)
- セット(歯が入るとき)の際(1749点)3割負担の方で5500円程度(再診料その他管理料込みの目安)
CADCAM冠でよくある質問
はい。当院でも多くの金属アレルギーの患者様がご来院されますが、従来の銀歯を外してCADCAM冠を入れることにより金属アレルギーの症状や、掌蹠膿疱症などが改善した例が多数あります。