シーラント治療
むし歯の予防処置
シーラントはフッ素塗布と並んで小児によく行われる虫歯の予防処置です。 処置として、奥歯の溝をプラスチック樹脂の一種で埋めることになります。シーラントは奥歯の歯の噛む面の溝にプラスチックのようなものを埋めることにより、歯の溝の部分に出来る虫歯を予防する処置です。
乳歯や生えて間もない6歳臼歯に行います
主に生えて間もない6歳臼歯や奥歯に行います。シーラント治療は、生えたての永久歯や乳歯であれば保険診療で行うことが出来ます。お子様の歯の溝が深い場合などには極めて有効な予防歯科方法です。
痛みがありません
シーラントは歯を削らないために痛みがありません。お子様に優しい治療と言えます。
溝を埋めて虫歯予防
奥歯の溝は、深いため汚れがたまりやすい場所。特に、生えたての歯は未成熟で溝も深いので、ケアをしないと虫歯になりやすいのです。
シーラントとはフッ素配合のレジンという素材で歯の溝を埋めることで食べカスや汚れが溝に入らないようにして虫歯を防ぎます。
生えたての永久歯を守ります
シーラントを行うタイミングは、奥歯の乳歯が生えてきた時や、奥の永久歯が生え始めた時(6歳〜14歳頃まで)が目安になります。
生えたばかりの永久歯は歯質や、背が低く磨きにくいため、初期虫歯になりやすいという特徴があります。シーラントをすることで虫歯を防ぐことができます。
シーラントの効果
奥歯の溝が無くなるため、歯垢や食べ物が詰まりにくくなり、歯磨きもしやすくなります。シーラントをした歯は、シーラントをしていない歯に比べると、4年以上で60%も虫歯予防効果があることが研究結果でわかっています。
またシーラントはフッ素徐放性(フッ素を徐々に放出する性質)があるためより虫歯予防効果があります。
歯を削らなくて済む
シーラント治療をすると、歯を削らなくて済むことが多いです。虫歯が悪化してしまうと、歯を削ることになってしまうことがほとんどです。虫歯になって苦しい思いをしない為にも、シーラント治療で予防します。シーラント治療自体にも歯を削る作業はありません。
シーラント治療の流れ
1. 歯のクリーニング
まず、処置する歯の表面や溝に付着した食べかすやプラークを完全に除去します。これは、シーラントが歯にしっかりと接着するために重要です。専用のブラシやペーストを使って歯を磨き、表面をきれいにします。
2. 歯の乾燥
クリーニングが終わった後、歯をしっかりと乾燥させます。エアブローやコットンロールを使用し、口腔内の唾液が処置する歯に付かないようにします。
3. 酸処理(エッチング)
シーラント材が歯にしっかりと接着するように、歯の表面を酸処理(エッチング)します。これは歯の表面を軽く粗くすることで、シーラント材がより良く接着するようにするためです。酸処理後は、数十秒後に水で洗浄し、再度乾燥させます。
4. シーラント材の塗布
溝や小窩にシーラント材を塗布します。シーラント材は通常、液状のレジン(樹脂)で、歯の表面に均等に広げます。これにより、溝がシーラントでしっかりと封鎖され、虫歯の原因となる細菌や食べ物が溝に入るのを防ぎます。
5. 硬化(照射)
シーラント材を塗布した後、光重合型のシーラント材を使用する場合は、ブルーライト(LED光)を当ててシーラント材を硬化させます。このステップにより、シーラント材が強固に歯に結合し、すぐに日常の使用に耐えられる状態になります。
6. 噛み合わせの調整
シーラント材が硬化した後、歯科医が噛み合わせに問題がないかを確認します。シーラントが噛み合わせに影響を与える場合は、咬合の調整を行い、必要に応じて余分なシーラントを削り取ります。
7. 最終確認と仕上げ
最後に、シーラントがしっかりと硬化し、歯に適切に密着しているかを確認します。その後、シーラントの仕上がりをチェックして処置は完了です。