最新の炭酸ガスレーザー治療

あきる野市きらら歯科では、開院以来10年以上に渡り炭酸ガスレーザーによる歯科レーザー治療を行ってきています。すべての治療でレーザーを使用するわけでなく、主に「小帯切除」「歯肉の止血」「根管治療」「口内炎の治療」などで使用しております。

レーザー治療は光を増幅し平行光線に変換し放射することで指向性に優れている光線です。照射部位の切除を行いながら瞬間的に組織を凝固させるため、「痛まない」「腫れない」治療といわれています。

レーザー治療詳細
歯科用レーザーが痛みや腫れが出にくい理由
歯科用レーザーは、従来の切削器具と異なり、非接触かつ微細なエネルギー照射で組織を切開・蒸散させるため、周囲組織への損傷が非常に少なくなります。また、レーザーには殺菌効果があり、施術部位の細菌を同時に除去することで術後の感染リスクを低下させます。

さらにレーザー照射時に末梢の血管や神経終末を瞬時に凝固・封鎖するため、施術中や術後の出血や疼痛が少なくなり、結果として腫れや痛みが出にくい治療が可能になります。

あきる野市きらら歯科でのレーザーの活用
きらら歯科で使用しているレーザーは炭酸ガスレーザーと呼ばれるもので、歯茎の処置や粘膜の処置また止血に優れており、日本の歯科医院で最も普及しているタイプのレーザーです。

炭酸ガスレーザーは、万能というわけではありませんが、殺菌および軟組織のコントロールに特に適しているレーザーです。そのため当院では軟組織の処置ではなくてはならない存在となっています。当院のマニピュレータータイプはエネルギーの分散を防ぎ効果が高いという研究結果があります。
1. 外科的処置(切る・取る)
メスの代わりとして使用します。出血が少なく、縫合(縫うこと)が不要なケースも多いため、患者様の負担が大幅に減ります。
- 小帯切除(しょうたいせつじょ): 上唇小帯や舌小帯の付着異常の改善。
- 歯肉切除・整形: 虫歯が歯茎の下まで進行している場合の歯肉切除や、ガミースマイル等の歯肉ラインの整形。
- 良性腫瘍・エプーリスの切除: 歯茎にできた良性のしこりの除去。
- インプラントの2次オペ: インプラント体(チタン)への熱影響が少なく安全に歯肉を開窓できます。
2. 炎症・痛みの緩和(治す・抑える)
レーザーの熱作用による殺菌や、表面の凝固作用を利用して、急性の症状を和らげます。
- 口内炎(アフタ)の治療: 最もポピュラーな用途です。患部表面を薄く焼いて「かさぶた」のような膜を作ることで、接触痛を瞬時に消し、治癒を早めます。
- 義歯性潰瘍(褥瘡性潰瘍): 入れ歯が当たってできた傷の痛みの緩和と治癒促進。
- 知覚過敏処置: 歯の表面(象牙細管)を熱変性させて封鎖し、しみるのを防ぎます。
- 顎関節症の疼痛緩和: 温熱効果により、顎周りの筋肉の血行を良くして痛みを和らげます(低出力で使用)。
3. 歯周病治療(殺菌する・引き締める)
歯周ポケット内の処置に有効です。
- 歯周ポケットへの照射: ポケット内の細菌を死滅させ、不良肉芽(膿や悪い血)を蒸散・凝固させます。
- 歯肉膿瘍の切開・排膿: 歯茎が腫れている箇所に小さな穴を開け、膿を出して腫れを引かせます。
- 歯質の強化: 歯の表面に照射することで耐酸性を高め、虫歯になりにくくする効果も期待されます。
4. 審美的処置(きれいにする)
- メラニン色素除去(ガムピーリング): 歯茎の黒ずみ(メラニン色素)をレーザーで蒸散させ、健康的なピンク色の歯茎に戻します。
5. 止血処置
- 抜歯後の止血: 抜歯窩(歯を抜いた穴)や、外科処置時のジワジワとした出血を凝固させて止めます。
痛みを抑えます
レーザーは治療時の痛みを抑えることができる場合が多くあります。通常のメスの使用などによると後に縫合が必要になったり、縫合したのちに抜糸という処置が必要になったりします。
レーザーの場合には直接凝固したんぱく変性をおこし止血するため縫合が不要になります。また表面をタンパク凝固させることにより終末神経線維の露出を防ぎ術後の疼痛を抑えることができます。

レーザーによる口内炎の治療
お口の中や舌にできる口内炎はつらいですよね。一度口内炎が出来てしまうとしばらく食事が苦痛になってしまいます。

そんな口内炎の痛みもレーザーをあてることですぐ和らぎ治りもよくなります。また入れ歯があたってできた義歯性口内炎・義歯性潰瘍などにもレーザーは極めて効果的です。
知覚過敏の歯の治療
水を飲んだり、アイスを食べたり歯ブラシを当てると歯がしみるといった症状はありませんでしょうか?

その原因として知覚過敏が考えられます。これは象牙細管という歯の神経につながる孔(あな)が開いていて神経が刺激されるからです。こんなときレーザーで治療すると歯の表面に薄い膜ができて孔(あな)をふさぎ、歯の神経を保護するので痛みやしみることを防ぐことができます。
歯周病の治療
レーザーを照射することにより、細菌数の減少をはかり、炎症組織を焼き取ります。
遠赤外線に近い波長である炭酸ガスレーザーを歯周病に侵された患部に照射することによって、歯肉の内面の毛細血管やリンパ管に温熱効果を与え、治りを早める働きを持っています。
その為、歯周病の治療後の再発率が低いという特徴を持っています。
止血するために使用
強力な止血力が炭酸ガスレーザーにはあります。炎症の歯肉を切開したり、切除するときは従来はメスを使っていましたが、メスでは止血ができません。

炭酸ガスレーザーは、強力な止血力があり、従来の方法と違い糸で縫合する必要がありません。そのため歯周病の治療や、インプラント治療・抜歯の手術などで使用します。
炭酸ガスレーザー(CO₂レーザー)は、歯科および外科領域において、「切開」と「止血(凝固)」を同時に行える非常に優れた機器です。
なぜ炭酸ガスレーザーが止血に有効なのか、そのメカニズムと臨床での使用ポイントを解説します。
1. 止血のメカニズム:なぜ血が止まるのか?
炭酸ガスレーザーの最大の特徴は、「水への吸収率が極めて高い」ことです。生体組織の大部分は水分で構成されているため、レーザーを照射すると瞬時に組織表面でエネルギーが吸収され、以下の反応が起こります。
- 熱凝固作用(Thermal Coagulation):レーザーの熱エネルギーが血管内の血液(タンパク質)を瞬時に変性・凝固させます。これにより、血管の断端が「栓」をされた状態になり、出血が止まります。
- 血管の閉鎖:毛細血管や細小血管であれば、切開と同時に熱によって圧着・閉鎖されるため、出血させずに処置を進めることが可能です。
2. 止血に使用する際のテクニック
止血を目的にする場合、レーザーの照射方法(フォーカス)を調整することが重要です。
| モード | 照射方法(チップと組織の距離) | 主な作用 | 用途 |
| フォーカス(Focus) | 近づける(焦点が合う位置) | 蒸散・切開 | 歯肉切除、小帯切除 |
| デフォーカス(Defocus) | 少し離す(焦点から外す) | 凝固・止血 | 滲出性の出血停止、潰瘍処置 |
ポイント:
出血部位に対して、チップを少し離して(デフォーカス状態で)照射し、熱を広範囲にマイルドに伝えることで、組織を深く傷つけずに表面を凝固させ、止血層(炭化層)を形成します。
3. 炭酸ガスレーザー止血のメリット
電気メスや他のレーザーと比較した際のメリットは以下の通りです。
- 視野の確保: 出血が少ないため、ドライな状態で正確な処置が可能です。
- 組織損傷が少ない: 電気メスに比べて深部への熱損傷が少なく(表層に限局される)、治癒が早いです。
- 浮腫・疼痛の軽減: 血管だけでなくリンパ管も封鎖するため、術後の腫れや痛みが少なくて済みます。
- 殺菌効果: 高熱による殺菌作用があり、感染リスクを低減します。
4. 注意点と適応限界
- 太い血管は止まらない: 太い血管からの拍動性の出血には対応できません(結紮や圧迫が必要です)。
- 骨へのダメージ: 組織透過性は低いですが、長時間骨面に照射すると骨壊死を起こすリスクがあるため、歯肉・粘膜下の骨には注意が必要です。
- 炭化層の扱い: 止血時に形成される黒い炭化層(焦げ)は、ある程度は「生体包帯」として保護膜になりますが、過度な炭化は治癒を遅らせるため、必要に応じて生理食塩水を含ませたガーゼ等で拭き取る必要があります。
粘液嚢胞摘出

粘液嚢胞は唇にできる事が多く、子供から大人までによくみられます。簡単に説明すると、唇には小唾液腺と言う少量の唾液を生産する組織が粘膜の直下にあり、この出口が何かしらの原因で閉塞してしまうと障害が起こります。
するとその部位がプクッと腫れた感じになります。原因として具体的には、唇を間違って噛んだりしたことが発症となる場合が多いです。痛みも何もありません。

放置しておいても、半分位は自然消滅しますが、再発を繰り返す場合や、周囲に炎症を起こす場合があります。そのような場合にはレーザーで基底部から取ります。
