むし歯と食事 ~ステファンカーブ~
こんにちは。歯科衛生士主任の小林と申します。
緊急事態宣言発令の影響で自粛やテレワーク等、ご自宅にいる時間が増えているかと思いますが、規則的な生活をされていますでしょうか。
本日は、”むし歯と食事”についてお話させていただきます。
むし歯とは
むし歯とは、むし歯の主な原因菌とされるミュータンス菌が作り出すプラーク(歯垢)から発生される酸により、歯が溶かされ(脱灰)最終的に穴が開いてしまう状態をいいます。
通常、お口の中では唾液の再石灰化の働きで脱灰から歯を守ろうとしますが、この脱灰と再石灰化の均衡が崩れてしまうとむし歯になってしまいます。
では一体、どのような状態になると均衡が崩れてしまうのでしょうか。
ステファンカーブ
ステファンカーブをご存じでしょうか。
1940年にStephanが最初に測定したプラーク中のpHの変化を表したものです。
普段のお口の中は中性(pH7)に保たれていますが、食事をするたびに酸性に傾いてしまいます。
しかし、通常は酸性に傾いても唾液の緩衝作用により中性に戻そうとします。
なのでpHが低い状態が一時的なものであれば、緩衝作用で中性に戻り再石灰化が起こることでむし歯になりにくいのです。
このpH変化は、飲食物や炭水化物、プラーク中の細菌の種類及び細菌数、唾液の分泌速度と緩衝能に大きく影響します。
次におすすめではないパターンです。
上記の例は複数回の間食をしているステファンカーブです。
間食をしない場合と比べると、脱灰と再石灰化の間隔が短いのがわかります。
この状態だと、酸性に傾いた口腔内を正常(中性)に戻す時間が少ないため、むし歯のリスクが高まります。
以上のことから、むし歯のリスクをあげないためにもダラダラ食いや頻繁な間食は控えることが大切です。
規則正しい食生活を心掛け、お口の健康を維持していきましょう!
もちろん、食後の歯ブラシもお忘れなく(*^^*)
歯科衛生士 主任 小林