金属床義歯:自由診療
歯肉に触れる部分が金属素材で作られた入れ歯(自費診療)です。総入れ歯と部分入れ歯のどちらでも作製可能であり、義歯床が金属でできているため、薄くて丈夫です。強度が高い金属ですから壊れにくく、薄いので保険適用の入れ歯に比べて違和感が少なくなっています。

金属床義歯は食事をおいしく感じやすい
金属床義歯は、レジン床義歯(プラスチック製の義歯)に比べて食事がおいしく感じやすいとされています。その理由は、以下のポイントにあります。
1. 薄く作れるため、口腔内の違和感が少ない
- 金属は強度が高いため、床部分を薄くできる
- 舌の動きがスムーズになり、発音や食べるときの違和感が減る
- レジン床義歯は厚みがあるため、舌が当たりやすく、味を感じにくくなることがある
✅ 結果 → 違和感が少なく、自然な食事がしやすい
2. 温度伝導性が高いため、食べ物の温度を感じやすい
- 金属は熱をよく伝える性質がある(特にコバルトクロム、チタン、金合金など)
- レジン(プラスチック)は熱を伝えにくく、食べ物の温度が伝わりにくい
- 温かい食事(味噌汁・ご飯・スープなど)や冷たいもの(アイス・ビールなど)の温度をより自然に感じられる
✅ 結果 → 温かい・冷たい感覚がしっかり伝わることで、食事の満足度が向上

3. 安定性が高く、しっかり噛める
- 金属床義歯は軽量でフィット感が良く、動きにくい
- レジン床義歯は厚みがあるためズレやすいことがある
- 噛みやすくなることで、食べ物の風味をしっかり感じられる
4. 義歯の清潔さを保ちやすい
- 金属はレジンよりも汚れがつきにくく、匂いがつきにくい
- レジンは水を吸収しやすいため、長期間使用すると臭いが付きやすい
- 口の中が清潔に保たれることで、食べ物の味に影響しにくい
まとめ
金属床義歯は、
- 違和感が少なく
- 食べ物の温度を感じやすく
- 安定性があり噛みやすく
- 清潔さを保ちやすい
といった理由から、食事をおいしく感じやすい義歯といえます。
特に「食事の楽しみを重視する方」には、金属床義歯のメリットは大きいです。
一方で、費用がやや高めであることがデメリットですが、食事の楽しさを優先する場合は金属床義歯が非常におすすめです。

金属床義歯の素材の選択
金属床義歯に使用される金属の種類
金属床義歯に使われる主な金属には、以下の種類があります。
- コバルトクロム合金(Co-Cr)
- チタン(Ti)およびチタン合金
- 金合金
- ステンレス鋼(現在はほとんど使用されない)
選択のポイント
- コストと耐久性を重視 → コバルトクロム合金
- 軽さと金属アレルギー対策 → チタン
- 長期的な安定性・適合性を重視 → 金合金
- 金属アレルギーがあるが、金属床を希望 → チタンが最適
薄さや軽さの面では、チタン床が最も優れており、費用の点でコバルトクロム床が最も優れています。チタンは金属アレルギーを起こしにくい身体に優しい金属です。金合金は高価なためあまり使用されません。
