1ピースインプラントと2ピースインプラントの違い
インプラントには、大きく分けて「1ピース」と「2ピース」の2種類があります。それぞれの構造や特性に違いがあり、適応する症例も異なります。
1ピースインプラント は、インプラント体(フィクスチャー)とアバットメントが一体型になっているタイプです。手術が 1回で済む ことが多く、骨と結合しやすいのが特徴。シンプルな構造のため 感染リスクが低く、細い骨でも適応可能 ですが、角度調整が難しいため適応範囲が限られます。
2ピースインプラント は、インプラント体とアバットメントが分かれているタイプで、手術は 2回法が一般的 です。角度や深さの調整が可能で、奥歯や咬合力が強い部分に適しています。ただし、ネジの緩みや感染リスクの可能性もあります。
まとめると、前歯や骨幅が狭い場合は1ピース、汎用性が高く調整可能な2ピースが一般的に選ばれる という違いがあります。
1ピースインプラント「京セラメディカル社POIインプラント」 「AQBインプラント」 |
2ピースインプラント「京セラメディカル社POIインプラント」 「ノーベルバイオケア社リプレイスインプラント」 「アストラセネガ社アストラテックインプラント」 |
1ピースインプラント
1ピースインプラントは骨に埋まる部分と土台になる部分が1ピース(1つの部品)でできているインプラントです。一回法に用いられ2回法と比べて、土台を連結させるために歯茎を切開する手術の必要なくなります。
欠点として方向の変更が効かないことや、長期的には2ピースインプラントのほうがもちやすいというところがあります。


固定される期間
- 上顎 4か月程度
- 下顎 2か月程度
1回で土台が立った状態にまでなります。ただインプラントが骨と結合するまで2~4か月程度かかるためそれまで刺激を与えないことが大切となります。
2ピースインプラント
2ピースタイプの特徴はインプラントと土台をネジで連結するタイプのもので、装着する部品が2つあります。長所としてほとんどのケースで適用できるインプラントです。2ピースインプラントは、本体と土台が別々のパーツになっているため、治療後の調整や修理がしやすく、より自然な見た目や噛み合わせに整えやすいなどの利点があります。その結果、長く快適に使える可能性が高まります。
1. 治療の融通がききやすい
- 土台をあとから付け替えできるため、もし角度や形状に調整が必要になった場合でも、インプラント本体を残したまま土台を交換できます。
- かぶせ物の形をきれいにしたい、噛み合わせを調整したい、といったときも柔軟に対応しやすいです。
2. 見た目をきれいにしやすい
- 土台の種類や形を選ぶことで、前歯など人目につく部分でも自然な見た目になりやすいです。
- 歯ぐきの形や色合いに合わせた調整ができ、より「自分の歯」に近い仕上がりをめざせます。
3. お手入れがしやすい
- 土台と本体が分かれているため、必要に応じて土台の周囲を清掃しやすい場合があります。
- インプラントを長持ちさせるためには毎日のケアが大切ですが、2ピースタイプは歯科医院での定期検診やクリーニングの際に、清掃・点検がしやすい構造といえます。
4. インプラントがくっつきやすい
- まずインプラント本体をあごの骨にしっかりと結合させ、それから土台を装着するため、じっくり時間をかけて安定させることができます。
- しっかりと骨と結合したあとに土台をつけるので、長期的に安定しやすいというメリットがあります。
5. 万が一のトラブルに対応しやすい
- もし土台やかぶせ物に問題(破損・ゆるみなど)が起こっても、本体を骨に残したまま修理したり交換したりできる場合があります。
- インプラント全体をやり直すよりも患者さんの負担が軽くなることがあります。




固定される期間
上顎 4か月程度
下顎 2か月程度