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歯がぐらぐらする時の原因と治療

歯がぐらぐらする症状は、多くの人にとって不安を感じるものです。歯がぐらつく原因はさまざまであり、原因に応じて適切な対処法や治療法が異なります。今回は「歯がぐらぐらする時の原因と治療」について詳しく解説します。

歯がぐらぐらする原因とは?

歯がぐらぐらする原因は、大きく分けて以下の6つが挙げられます。

1. 歯周病によるもの

歯がぐらつく原因として最も多いのが「歯周病」です。歯周病は、歯の周囲の歯茎や骨(歯槽骨)が細菌によって破壊される病気です。歯周病が進行すると歯茎が下がり、歯を支える骨が溶けてしまい、最終的には歯がぐらつきます。歯周病は初期には自覚症状が少ないため、気づかないうちに進行しているケースが多いです。

2. 咬合性外傷(かみ合わせによるもの)

咬合性外傷とは、噛み合わせが悪い、歯ぎしり・食いしばりが強いなどの理由で、一部の歯に過度な負担がかかり、歯を支える骨が破壊されてしまうことです。特定の歯だけが揺れる場合、咬合性外傷が原因となっている可能性があります。

3. 外傷(ぶつけたり転倒したことによるもの)

スポーツや事故、転倒などで歯を強く打った際に、歯がぐらつくことがあります。衝撃により歯の根元(歯根)や歯槽骨が損傷を受け、歯のぐらつきが起きます。特に前歯は外傷による影響を受けやすいため注意が必要です。

4. 根の病気(根尖性歯周炎)によるもの

歯の神経が死んだり感染を起こしたりすると、歯の根の先(根尖)に炎症が起こります。これを根尖性歯周炎といいます。炎症が進行すると、根の周囲の骨が溶け、歯が揺れてしまうことがあります。

5. 歯根の破折(歯が割れてしまった場合)

歯の根が割れてしまう歯根破折の場合、歯がぐらつきます。歯根破折は噛み合わせの強い力、歯ぎしり、老朽化した歯などで起こることがあり、一度破折が生じると自然治癒することはありません。

6. 加齢による影響

高齢者では加齢に伴い骨密度が低下し、歯を支える歯槽骨も痩せていきます。特に歯周病との併発で症状が重症化すると、歯が揺れやすくなります。

歯がぐらぐらするときの治療法について

歯のぐらつきに対する治療は、その原因によって異なります。以下にそれぞれの原因別に適した治療法を詳しく説明します。

1. 歯周病が原因の場合

歯周病治療は、基本的に歯茎や歯槽骨の炎症を取り除き、細菌を減少させることを目的に行います。

  • スケーリング・ルートプレーニング(SRP)
    歯茎の中に入り込んだ歯石を除去し、歯根の表面を滑らかにして炎症を改善させます。
  • 歯周外科治療
    進行した場合は歯周外科治療(フラップ手術、歯槽骨再生療法、エムドゲイン治療など)を行います。骨の再生を促す治療法で、症状改善や歯の固定に効果があります。
  • 咬合調整・固定
    歯周病で揺れている歯を安定させるため、他の歯と連結固定する処置を行うこともあります。

2. 咬合性外傷が原因の場合

噛み合わせに問題がある場合は、過剰な力を分散することが必要です。

  • 咬合調整
    歯の高さや位置を微調整することで、特定の歯にかかる負担を軽減します。
  • マウスピース(ナイトガード)
    歯ぎしりや食いしばりを改善するために、夜間使用するマウスピースで負担を和らげます。
  • 歯の固定・被せ物(クラウン)
    症状が重い場合、クラウン(被せ物)で歯を補強したり、複数歯を固定する処置を行います。

3. 外傷が原因の場合

歯が衝撃でぐらついているときは、迅速な対応が重要です。

  • 固定治療(スプリント固定)
    隣の歯とワイヤーや接着剤を使い固定することで、歯が再び安定するのを待ちます。
  • 神経の治療(根管治療)
    衝撃によって歯の神経がダメージを受けている場合は、根管治療を行う必要があります。

4. 根の病気(根尖性歯周炎)の場合

根尖性歯周炎に対しては、感染した根の中の細菌を取り除く必要があります。

  • 根管治療(歯内療法)
    根管治療を行い、感染部分をきれいにして密閉します。適切な治療が行われれば、歯が再び安定することがあります。

5. 歯根破折が原因の場合

歯根破折がある場合、歯を保存することが難しくなります。

  • 抜歯・インプラントまたはブリッジ治療
    破折の程度によっては抜歯が必要になります。抜歯後は、インプラント治療やブリッジ、入れ歯で歯を補います。

6. 加齢による骨の吸収が原因の場合

加齢による骨の吸収に対しては、骨を増やす再生治療を行ったり、歯の安定を図るため固定処置を行います。状態によっては、義歯(入れ歯)やインプラントも検討します。

まとめ

歯がぐらぐらする原因はさまざまですが、いずれの場合でも「放置しないこと」が重要です。症状が軽いうちに歯科医院で検査を受けることが、歯を残せる可能性を高めます。また日頃から定期検診を受け、早期発見・早期治療を心がけましょう。
歯のぐらつきに悩んだ際は、早めに歯科医師に相談し、適切な治療を受けることをお勧めします。

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