仮の歯(仮歯)の注意事項とQ&A

仮の歯(仮歯)についての注意点とよくあるご質問
仮の歯(仮歯・テンポラリークラウン・TeC)は、最終的な被せ物や差し歯が完成するまでの間、一時的に装着する人工の歯です。見た目や噛み合わせを保つだけでなく、歯ぐきの形を整えたり、歯が動くのを防いだりといった重要な役割があります。以下に、仮歯を使用する際の注意点と、よくあるご質問にお答えします。
仮の歯は、専門用語でテンポラリークラウンと言います。TeC(Temporary Crown)で、以前はドイツ語と混じっているTEK(Temporary Krone)と言っていましたが、正式なTeCという略語になりました。
仮の歯を使う上での注意点

強い力で噛まないようにしましょう
仮歯はレジンと呼ばれる仮のプラスチック素材で作られており、最終的な補綴物よりも強度が低いため、噛む際に使用すると割れたり外れたりする可能性があります。食事の際は反対側の歯を使うよう心がけてください。
清掃を怠らないようにしましょう
仮歯は汚れやすい素材のため周囲には細菌がたまりやすく、むし歯や歯周病のリスクが高まります。やさしく歯ブラシで磨いてください。フロスや歯間ブラシを通すと外れる原因になるため使用しないでください。もしフロスを通す場合には横から通して引き上げないようにしてください。
接着剤は仮用のものです
仮歯は本接着ではなく、取り外し可能な「仮着剤」で付けられています。そのため強い力や粘着性のある食べ物(ガム・キャラメルなど)により、簡単に外れてしまうことがあります。外れた場合は、自己判断で戻さず、必ず医院へご連絡ください。
外れた場合の費用について
仮の歯や、仮のふたが外れた場合には、処置当日に外れた場合には「無料」で付け直しをさせていただいております。翌日以降の場合には、再診料などがかかりますのでご理解の程よろしくお願いします。外れないように「出来るだけ使わない」ようにお願いします。
見た目・色・形は暫定的なものです
仮歯は最終的な補綴物とは異なり、耐久性や審美性が低めです。色は1種類しかないため、色が合っていない場合や噛み合わせに違和感があることもありますが、これは仮歯の特性であり、最終のかぶせ物で改善されます。
装着期間
仮の歯は吸水性のあるプラスチック製のため、傷や汚れがつきやすく細菌が繁殖しやすい性質があります。隙間にプラークも溜まりがちなため、長期間の使用は歯茎の腫れや、中の歯が再び虫歯になる大きな原因となります。
よくある質問(Q&A)
Q1:仮歯のままでもしばらく生活できますか?
A1:仮歯でも日常生活は可能ですが、長期間放置すると外れやすくなり、むし歯や歯周病のリスクも高くなります。できるだけ早めに最終的な被せ物を装着することをおすすめします。
Q2:仮歯が取れてしまったときはどうすればいいですか?
A2:無理に自分で戻したり、接着剤などを使って装着し直すことは避けてください。誤って飲み込む、位置がずれる、歯や歯ぐきを傷める可能性があります。すぐに当院へご連絡いただき、対応させていただきます。
Q3:仮歯の見た目が気になります。直せますか?
A3:審美性に配慮した仮歯もご用意できますが、保険診療では限界があります。見た目にこだわりたい場合は、別途自費で仮歯を作製することも可能ですので、ご相談ください。
Q4:仮歯をしている間に歯がしみたり痛んだりします
A4:仮歯は歯を完全に密閉できるわけではないため、知覚過敏や歯の刺激を感じることがあります。症状が強い場合は、仮歯の調整や仮封材の追加で緩和できますので、お気軽にお知らせください。
Q5:仮歯のまま旅行や出張に行っても大丈夫ですか?
A5:仮歯でも生活は可能ですが、万一の脱落やトラブルに備え、旅行前に仮歯の状態をチェックすることをおすすめします。また、出先で外れた場合でも一時的な対処法をご案内することが可能ですので、当院にご連絡ください。
他院通院中の仮歯について
- 他院の仮歯の再装着は、1回に限り保険診療で(初診料など)対応いたします。
- 2回目以降の再装着をご希望の場合は、
- 本格的な治療(最終的な被せ物など)を当院で進めていただきます。
- かかりつけがあるような患者様は、再度の診療をお断りさせていただく場合がございます。
またそれでも、どうしても「今回のみは」と再装着をご希望される場合には、保険診療でなく自由診療(再装着料1本あたり3,000円税込)にて、対応させていただきます。ただし口腔内の状況によりましては再装着できない場合などもありますので担当医にお尋ねください。
