まずは痛みの原因を探る
歯が痛くて眠れないほどであれば、寝られないほどの歯の痛みは、急性歯髄炎や急性根尖性歯周炎などが原因として多くみられます。このような場合、緊急的な治療が必要になります。具体的には以下の対応が考えられます。痛みの原因や部位によって治療方針が異なるため、まずは歯科医での検査と診断を受けることが重要です。

原因として考えられる病状:
- 急性歯髄炎(歯の神経が炎症を起こしている)
- 急性根尖性歯周炎(歯の根の先に膿が溜まっている)
- 歯の破折(ヒビ・割れ)
- 重度の虫歯
一般的な応急処置
(1)鎮痛剤の使用
市販の鎮痛剤(イブプロフェンやアセトアミノフェンなど)を用いると一時的に痛みを和らげることができます。ただし、持病やアレルギーの有無、服用中の薬との相互作用など、個人の体調に応じて使用の可否が変わる場合があります。服用前に医師や薬剤師に相談してください。
歯の痛みによく用いられる市販の鎮痛薬
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
ロキソニン(ロキソプロフェン)
イブプロフェン
アスピリン
ナプロキセン
これらの薬は、抗炎症作用と鎮痛作用を持っているため、歯痛によく使用されます。アセトアミノフェン(パラセタモール)通常の鎮痛作用を持っていますが、抗炎症作用はNSAIDsほど強くありません。胃腸への負担が少ないとされていますが、服用量や服用方法を誤ると肝臓への負担となることがあります。
飲み方・選び方のポイント
胃腸への負担に注意
NSAIDsは強い鎮痛・抗炎症作用がある一方、胃腸障害を起こしやすいという特徴があります。空腹時の服用は避け、なるべく食後に飲むとよいです。
用量・用法を守る
市販薬は、パッケージや添付文書に用法用量が記載されています。最大服用回数や間隔を守らないと副作用リスクが高まります。
アレルギーや他の病気がある場合は注意
過去に薬でアレルギー反応を起こしたことがある方や、持病で薬の使用に制限がある場合は事前に薬剤師などに相談してください。
長期間の使用は避ける
まとめ
- 市販の鎮痛薬(NSAIDsやアセトアミノフェン)は痛みを一時的に緩和するために有用ですが、あくまで根本的な治療ではありません。
- 薬選びや用法用量、服用のタイミングなど、自己判断だけでなく薬剤師や歯科医のアドバイスも参考にすると安全です。
- 痛みを和らげつつ、できるだけ早く歯科医院を受診し、適切な治療を受けることが最も大切です。
(2)痛む箇所の清潔を保つ
- 痛みを感じる箇所(むし歯や歯茎の腫れなど)は、歯ブラシが当たるとつらいかもしれませんが、汚れが溜まると症状が悪化することがあります。
- やさしくブラッシングし、必要に応じてデンタルリンスやうがい薬で口腔内を清潔に保ちましょう。
(3)冷やす・温める
- 患部を冷やす
- 氷嚢や冷たいタオルで外から頬を冷やすと、痛みが軽減される場合があります。ただし冷やしすぎや長時間の冷却は凍傷などを引き起こす可能性があるため、適度な時間にとどめてください。
- 頭を高くして眠る
- 横になると血行が増して痛みが強くなることが多いです。寝るときは、枕を少し高くするなど工夫してみてください。
- 歯科医への受診を最優先
- 痛みの原因(虫歯、歯の神経の炎症、歯根の化膿など)を特定し、適切な治療を受けなければ根本解決にはなりません。特に、強い痛みや腫れがある場合は早めに歯科医に相談しましょう。
(4)噛み合わせの調整
- 痛む側でかみしめないようにするなど、痛い部分への負担を軽くするよう心がけましょう。片側だけで噛んでいると、別の部位が疲労しやすくなるので注意も必要です。
歯科医院での治療例
(1)虫歯や歯髄炎が原因の場合
- 軽度の場合は虫歯を除去して詰め物をする
- 神経まで達している場合、根管治療(歯の神経を取り除いて消毒し、薬剤や樹脂で根管を封鎖する治療)が必要となります。
(2)歯周病・歯肉炎が原因の場合
- 歯石除去、歯周ポケット内の洗浄や、クリーニング等の歯周治療が必要です。
- 症状が進行している場合には、外科的な治療を行うケースもあります。
(3)親知らずの炎症(智歯周囲炎)や歯茎の腫れが原因の場合
- 親知らずの抜歯が必要な場合があります。
- 抜歯が難しい場合や炎症が強い場合は、投薬や洗浄で炎症を抑えてから処置することもあります。
痛みがひどい時に気をつけるポイント
- タバコやアルコールは控える:炎症を悪化させたり、治りを遅くしたりする可能性があります。
- 食事内容に注意:硬いものや刺激の強い食べ物は痛みを悪化させる場合があります。
- 無理をして自己判断での治療をしない:市販薬や鎮痛剤に頼りすぎると、原因が進行してしまうことがあります。
- 睡眠:痛くて寝づらいかもしれませんが、身体の回復に睡眠は必要です。歯科医院に行くまでの数日は、鎮痛剤などで症状をやわらげながらできる限り休むようにしましょう。
早めの受診が大切
一時的な応急処置で痛みを軽減することはできますが、原因そのものを取り除かない限り、再び痛みがぶり返すことが多いです。特に「夜も眠れないほど」の痛みは、神経に近い部分にまでトラブルが及んでいる可能性が高く、放置しておくと症状が悪化したり、抜歯が必要になることもあります。
最後に
歯の激しい痛みは日常生活にも大きく影響するため、できるだけ早めに歯科医で診察を受け、適切な治療を受けることが重要です。また、応急処置の方法に迷う場合は、歯科医院や医療機関に直接電話をして相談すると、症状に応じた具体的な指示をもらえることがあります。
以上の情報はあくまでも一般的なものであり、個別の症状や状況により異なる場合があります。緊急時や痛みが我慢できないほど続く場合は、すみやかに歯科医や医師に相談してください。
きらら歯科の対応
- 夜10時まで年中無休で救急対応が可能
- 応急処置を迅速に行い、痛みを速やかに緩和させる
痛みが強く眠れない場合は、早急な来院をおすすめします。
