親知らずの痛み・腫れ(抜歯の必要性や痛みの対策)
親知らずとは?
親知らず(第三大臼歯)は、一般的に10代後半から20代にかけて生えてくる奥歯のことを指します。多くの人が上下左右に合計4本持っていますが、現代人の顎は小さくなっているため、十分なスペースが確保できずに問題を引き起こすことがあります。

親知らずが引き起こす問題
1. 痛みと腫れ 親知らずが正常に生えるスペースが不足している場合、斜めに生えたり、歯肉に埋まったままとなることがあります。この状態を「埋伏歯(まいふくし)」といい、炎症を引き起こして痛みや腫れを伴います。

2. 隣接する歯への悪影響 斜めに生えた親知らずは、隣の歯を圧迫し、歯並びが乱れる原因となることがあります。また、隣接する歯との間に食べかすが溜まりやすく、虫歯や歯周病のリスクが高まります。

3. 口臭や感染のリスク 親知らずの周囲に炎症が起こると、細菌が繁殖しやすくなり、口臭の原因となります。また、炎症が悪化すると「智歯周囲炎(ちししゅういえん)」と呼ばれる感染症を引き起こし、強い痛みや発熱を伴うこともあります。
親知らずの抜歯が必要なケース
親知らずは必ずしも抜歯しなければならないわけではありません。以下の図のようにまっすぐ生えている場合には抜かないでOKです。

しかし、以下のような場合は、抜歯が推奨されます。
一方で、正常に生えており、しっかりと噛み合っている場合は、抜歯せずに経過観察を行うこともあります。
抜歯に伴う痛みとその対策
1. 抜歯時の痛み 親知らずの抜歯は局所麻酔を使用して行われるため、処置中に痛みを感じることはほとんどありません。抜歯後に痛みが出ることがありますが、痛み止めを服用することでコントロールできます。

2. 抜歯後の腫れ 抜歯後に腫れが生じることがありますが、これは炎症反応の一環です。通常、48時間以内がピークとなり、その後徐々に引いていきます。冷やすことで腫れを抑えることができます。
3. 出血と対策 抜歯後の出血は、ガーゼをしっかり噛んで圧迫止血することで抑えることができます。強くうがいをすると血が止まりにくくなるため、注意が必要です。
親知らずの痛みを和らげる方法
抜歯をせずに痛みを抑えたい場合、以下の対策が有効です。

- 痛み止めの服用:市販の鎮痛薬(イブプロフェンやアセトアミノフェン)を服用することで、痛みを和らげることができます。
- 冷やす:氷や保冷剤をタオルに包み、外側から冷やすと炎症を抑えるのに効果的です。
- 口腔ケアを徹底する:親知らず周囲の汚れをしっかり取り除くために、抗菌性のあるうがい薬を使用したり、柔らかめの歯ブラシで丁寧に磨くことが大切です。
- 食事の工夫:硬い食べ物や刺激物を避け、柔らかいものを摂ることで痛みを軽減できます。
- ストレスを減らす:ストレスが痛みを悪化させることがあるため、リラックスする時間を持つことも重要です。
親知らずの抜歯後の注意点
抜歯後の適切なケアを行うことで、回復を早めることができます。

- うがいを控える:手術当日は強いうがいを控え、血餅(けっぺい)が剥がれないように注意しましょう。
- 飲酒・喫煙を避ける:アルコールやタバコは血流を促進し、治癒を遅らせる可能性があります。
- 食事は柔らかいものを選ぶ:抜歯後しばらくは刺激の少ない食事を心がけましょう。
- 痛みが強い場合は歯科医院へ相談:痛みや腫れが長引く場合は、ドライソケット(治癒不全)などの可能性があるため、早めに歯科医院を受診しましょう。
まとめ
親知らずは必ずしも抜歯が必要なわけではありませんが、痛みや腫れが頻繁に起こる場合は、きらら歯科にて歯科医師と相談し、適切な処置を受けることが大切です。親知らずのトラブルを未然に防ぐためにも、親知らずが気になっている方は定期的な歯科検診を受けることをおすすめします。