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小児の歯科検診の頻度と重要性

小児の歯科検診の頻度と重要性

小児期から定期的に歯科検診を受けることは、むし歯予防や歯の健全な発育に欠かせません。

子どもの歯科検診の適切な頻度や検診の目的・メリット、乳歯と永久歯における検診の役割、日本国内のガイドライン、受診時のポイント、そして定期検診を受けない場合のリスクについて解説します。

小児の歯科検診の推奨頻度(年齢ごとの目安)

初めての歯科検診の時期

子どもの歯科検診は一般的に1歳頃から開始することが推奨されています​。多くの自治体では1歳6か月健診(1歳半健診)や3歳児健診に歯科検診が含まれており、これが子どもの初めての歯科検診となるケースが多いです​。しかし、実際には乳歯が生え始めた生後6か月~1歳前後で早めに歯科検診を受けることが望ましく、家族にむし歯の多い人がいる場合などは特に早期受診が勧められます​。

定期検診の頻度

小児の定期歯科検診はおおむね3~4か月に1回のペースで受けるのが理想的とされています​。これは、むし歯や歯周病の原因となる歯石やバイオフィルム(細菌のかたまり)が形成されるのに約3~4か月かかるためです​。一度歯石が付着してしまうと家庭での歯磨きでは除去が難しく、歯科医院で専用器具を用いたクリーニングが必要になります​。したがって、3~4か月ごとに検診とクリーニングを受けることで、常にお口の中を清潔に保ち虫歯や歯肉炎を予防できます。また、3~6か月に1回程度で状態チェックすることが重要ですが、むし歯リスクが高い子どもや歯の生え替わりに問題がある場合は、1~2か月ごとなど短い間隔で受診しフッ素塗布を行ったり、歯の生え変わりをチェックすることもあります​。お子さん個々のリスクや口腔内の状態によって適切な頻度は異なるため、担当の歯科医師と相談して決めるとよいでしょう​。

歯科検診の主な目的とメリット

定期的な歯科検診には、以下のような目的やメリットがあります。

  • むし歯の早期発見・予防:小児歯科健診の第一の目的は、乳歯や生えたばかりの永久歯のむし歯を早期に発見し、進行を防ぐことです​。子どもの歯は大人より虫歯になりやすく進行も速いため、定期検診で小さな虫歯を見逃さずに治療やフッ素塗布を行うことで、大きな虫歯になるのを防ぎます。初期の虫歯は痛みがなく見た目でも気づきにくいですが、検診で歯科医師がチェックすることで見逃しを防げます。
  • 歯科医師・歯科衛生士によるクリーニングと歯肉炎予防:検診時には歯科衛生士等による専門的なクリーニング(歯石除去や歯面清掃)が受けられます。家庭で落としきれない歯垢や歯石を定期的に除去することで、虫歯だけでなく歯肉炎など歯ぐきの炎症も予防できます。特に仕上げ磨きでは届きにくい奥歯の溝や歯と歯の間の汚れもクリーニングで清潔にでき、健康な口腔環境を維持できます。
  • 正しい歯磨き習慣・生活習慣の指導:検診は必要に応じて歯磨き指導を受ける良い機会でもあります。歯科医師や歯科衛生士が現在の磨き残しの状態をチェックし、年齢や発達に応じた適切な歯磨き方法を教えてくれます。また、飲食の習慣についてアドバイスを受けたり、フッ素入り歯磨き剤の使い方指導を受けたりすることで、家庭でブラッシングの質が向上し虫歯予防に繋がります。
  • 歯並び・噛み合わせのチェック:定期検診では、虫歯の有無だけでなく歯科医師によって歯の生え方や噛み合わせ、顎の発育も確認します​。乳歯から永久歯への生え替わりが順調か、不正咬合(歯並びの乱れ)やかみ合わせの異常がないかを継続的にチェックすることで、問題があれば早期に対応できます​。必要に応じて矯正治療の開始時期を判断したり、噛み合わせの誘導を行ったりできるため、将来的な歯並びがくずれていくことの予防につながります。
  • フッ素塗布など歯質強化:多くの歯科医院では小児の検診時にフッ素塗布を行います。フッ化物を歯の表面に塗ることでエナメル質を強化し、虫歯になりにくい歯を作る効果があります。乳歯や生えたての永久歯はフッ素の効果が得られやすいため、定期的なフッ素塗布によって虫歯予防効果を高めることができます​。
  • 歯医者への恐怖心の軽減:痛みが出てから初めて歯医者に行くと、治療時の怖い印象が強く残り通院を嫌がる子になってしまうことがありま。一方、問題がなくても定期的に検診に通うことで「歯医者は怖くない」と子どもが学ぶことができます。小さい頃から歯科医院に慣れ親しんでおけば、いざ治療が必要になった際もスムーズに受診できるようになります。つまり検診は、子どもにとって歯医者へのポジティブな経験を積む場にもなるのです。

乳歯と永久歯のケアにおける検診の役割

乳歯の段階での検診の役割:乳歯は永久歯に比べてエナメル質や象牙質が薄く軟らかいため虫歯になりやすく、いったん虫歯になると進行が速いという特徴が。乳歯の虫歯を放置すると口の中の虫歯菌が増殖し、後から生えてくる永久歯が虫歯菌の多い環境下で生えてしまうことになります​。結果として、永久歯が萌出した時点で早くも虫歯に感染してしまうリスクが高まります​

misato-dc.jp。さらに、乳歯の虫歯が重症化して根の先に膿がたまるような状態になると、下から控えている永久歯の歯胚に影響を及ぼし、永久歯が正常に発育しなかったり生えてくる位置がずれたり、エナメル質が濁ってしまったりすることがあります​

tomoe-dc.net

misato-dc.jp。こうした問題を避けるためにも、乳歯の時期から定期検診を受けて虫歯の早期発見・早期治療を行うことが重要です​

misato-dc.jp。実際、およそ12歳頃まで続く乳歯の時期に健全な乳歯で過ごすことこそが、その後に生えそろう永久歯と長く付き合っていくカギになります​

hidamari.dental

永久歯の段階での検診の役割:6歳前後から生え始める永久歯(第一大臼歯や前歯)も、萌出直後は歯質が未成熟で虫歯になりやすいため注意が必要です。定期検診では、乳歯から永久歯への生え替わりが順調か、永久歯が正しい位置・方向で生えてきているか、乳歯の抜け方に問題がないかを確認します​

misato-dc.jp。特に混合歯列期(乳歯と永久歯が混在する時期)では顎の成長に伴い歯並びや噛み合わせが日々変化します。検診を通じて歯並びや噛み合わせの異常を早期に発見できれば、必要に応じて小児矯正や咬合誘導などの対応を取ることができ、将来の不正咬合リスクを軽減できます​

misato-dc.jp。実際、定期検診により異常を早期発見し早めに矯正治療を開始できれば、後になってから大がかりな矯正をするより負担が少なく済む場合があります。また、検診時にレントゲン撮影を行えば、永久歯が生まれつき欠如していないか(先天欠如)、埋伏していないかといった肉眼では分からない情報も得られます​

misato-dc.jp。必要に応じて**シーラント(奥歯の溝をあらかじめ樹脂で埋めて虫歯を予防する処置)**を行うこともあり​

akihabara-dentist.jp、生えて間もない大臼歯の虫歯予防にも検診が役立ちます。永久歯列が完成する学童期・思春期においても、引き続き定期検診を受けることで虫歯・歯周病の予防と咬合の管理を行い、将来にわたって健康な歯を維持しやすくなります。

日本における歯科検診のガイドラインと検診プログラム

乳幼児健診(1歳半・3歳児健診):日本では母子保健法により、市町村が実施する1歳6か月児(1歳半)および3歳児の健康診査に歯科健診が含まれることが義務付けられています​

workersdoctors.co.jp。これら乳幼児期の歯科検診は法定健診として位置付けられており、全国的に受診率は90%以上と非常に高く、多くの子どもが受診しています​

jspd.or.jp。1歳半健診では生え始めた乳歯の状態や虫歯の有無、歯みがき習慣について確認・指導が行われ、3歳児健診では乳歯列が生え揃った段階で虫歯や咬合のチェックが行われます​

jspd.or.jp。これらの節目健診は、幼い時期の虫歯を早期に発見し治療につなげるとともに、保護者への歯科保健指導の機会にもなっています。

保育所・幼稚園での集団歯科健診:多くの保育園や幼稚園では、年に1~2回程度、施設に嘱託された歯科医師による集団歯科健診(園歯科健診)が実施されています​

jspd.or.jp。これは短時間で大勢の子どもの口腔内をチェックし、保護者が気付いていない虫歯や噛み合わせの問題をスクリーニングすることが目的です​

jspd.or.jp。園での歯科健診は年1~2回行われるのが一般的で、健診結果は保護者に通知され、治療が必要な場合は歯科受診を促されます​

jspd.or.jp。ただし、園や学校での集団健診はあくまで簡易な検査であり、虫歯の見落としがゼロではないことや治療行為までは行えないことから、日常的な定期検診の代わりにはならない点に注意が必要です​

jspd.or.jp。集団健診で異常を指摘されなかった場合でも、安心せずに歯科医院での定期健診を受けて詳細に診てもらうことが望ましいとされています​

jspd.or.jp

学校歯科健診:幼児期だけでなく、小学校から高校までの学齢期の子どもにも毎年学校歯科健診があります。日本では学校保健安全法に基づき、小・中・高校生は毎年1回(多くは年度前半の4~6月頃)に学校で歯科健診を受けることが義務付けられています​

workersdoctors.co.jp。学校歯科医が全児童生徒の虫歯や歯肉の健康状態、咬合などを検査し、結果は「歯科健診結果のお知らせ」として配布されます。これにより、保護者は子どもの口腔健康状態を毎年把握でき、治療が必要な場合は歯科受診を促されます。現在、日本で法的に歯科健診が義務付けられているのは1歳半児と3歳児、それに高校3年生までの全学年のみであり​

workersdoctors.co.jp、成長期の子どもたち全般に対して公的な歯科検診プログラムが網羅されていることがわかります。乳幼児健診や学校健診を契機として、その間の期間も含め継続的に歯科医院で定期検診を受けることが理想です。

自治体の取り組み:自治体によっては、上記以外にも独自の歯科保健プログラムを実施しています。例えば、2歳児を対象にした歯科健診やフッ化物塗布の無料施策を行っている自治体もあります。また、母子健康手帳には「歯の健康診査」の項目が設けられており、乳歯の生え方や虫歯の有無を記録できるようになっています​

jspd.or.jp。これは保護者が子どもの歯の発育に関心を持ち、適切なタイミングで健診を受けるきっかけとするための仕組みです。日本全体として、高齢になっても自分の歯を20本保とうという「8020運動」の達成に向け、幼少期からの予防歯科の徹底が重要視されています。そのため各地で乳幼児期からの定期的な歯科検診受診率向上に取り組む動きが広がっています。

歯科検診を受ける際のポイント

小児の定期検診を効果的に受けるために、以下のポイントに留意すると良いでしょう。

  • 受診開始は早めに:歯科検診の受診は早ければ早いほど望ましいです。乳歯が生え始めたらできるだけ早期に歯科医院で診てもらいましょう​akihabara-dentist.jp。多くの自治体では1歳半健診・3歳児健診がありますが、それを待たず1歳頃までに初めての歯科検診を受けておくと安心です​akihabara-dentist.jp。早期からプロの指導を受けることで、適切な歯磨き方法や虫歯予防法をスタートできます。
  • 定期的に通う習慣づけ:痛みがなくても3〜6か月ごとの定期検診に通い、子どもに「歯医者さんに行くのは当たり前」という習慣をつけましょう​akihabara-dentist.jp。小さいうちから歯科医院に通うことで歯医者への恐怖心を和らげる効果もあります​akihabara-dentist.jp。逆に痛みが出た時だけ歯医者に行くようだと、どうしても「歯医者=痛くて怖い所」という印象を持ちやすくなってしまいます。
  • 歯科医院の選び方:お子さんを歯科に連れて行く際は、小児歯科の専門医や小児対応に慣れた歯科医院を選ぶと良いでしょう。具体的には、「小児歯科」を標榜しているクリニックや、スタッフが小児歯科の認定資格を持っている医院、キッズスペースがあったり子ども向けの工夫を凝らしていたりする医院だと安心です​lifedental.jp。事前に電話で「子どもの検診をお願いしたいのですが」と相談し、対応に慣れていそうか雰囲気を確かめてもよいでしょう。子どもがリラックスできる明るい雰囲気の歯科医院であれば、通院自体を嫌がりにくくなります​lifedental.jp
  • 機嫌の良い時間帯に予約:予約の日時にも配慮しましょう。小さいお子さんであれば、体調が良く機嫌の良い午前中の時間帯がおすすめです​mamatokodomo-no-haishasan.com。お昼寝前後や食事でお腹が空いている時間帯は機嫌が悪くなりやすく、普段は嫌がらないことも嫌がってしまうことがあります​mamatokodomo-no-haishasan.com。お昼寝明け直後でぼんやりしている時間も避けた方が無難です。お子さんの生活リズムを考慮し、「この時間なら機嫌よく受診できそう」というタイミングを選んであげてください。
  • 前向きで正直な声かけ:歯医者に行く前の声かけは前向きで正直に行いましょう。「早く行かないと虫歯になるよ!」「言うこと聞かないと歯医者さんに痛くしてもらうよ」といった脅し文句で促すのは逆効果です​lifedental.jp。また「今日は見るだけだから何もしないよ」などと嘘をついて連れて行くのも避けましょう​lifedental.jpmamatokodomo-no-haishasan.com。もし実際に治療が必要になった場合に子どもの信用を失ってしまいます。歯科医院は一度で終わらず何度も通う場所ですから、**「これから歯医者さんに行って、歯をきれいにしてもらおうね」**などと前向きに伝え、正直に説明してあげることが大切です​mamatokodomo-no-haishasan.com
  • 待合室でリラックス:歯科医院に着いたら、できるだけ子どもがリラックスできるよう配慮しましょう​mamatokodomo-no-haishasan.com。お気に入りのおもちゃや絵本を持参したり、待合室で抱っこして安心させたりすると良いでしょう。キッズスペースのある医院では、待ち時間に遊ばせて緊張を和らげることもできます​mamatokodomo-no-haishasan.com。親御さん自身もリラックスした様子でニコニコと構えていると、その雰囲気がお子さんにも伝わり安心材料になります​dc-torii.com
  • 診察中の対応:いざ診察台に上がったら、子どもが泣いたり嫌がったりしても決して叱らないようにしましょう​lifedental.jp。歯科のスタッフも小さな子が泣いてしまうことには慣れており、大抵の場合あやしながら手早く検診や処置を進めてくれます​lion-dent-health.or.jp。特に2歳以下の子どもは歯科ではほぼ100%泣いてしまうものですが、それが普通なので心配いりません​lion-dent-health.or.jp。親御さんがオロオロしたり怒ったりせずドーンと構えている方が、子どもも徐々に安心できます。歯科医院によっては個室の診療室を用意していたり、防音設備があったりしますので、周囲に気を遣いすぎず受診してください​lion-dent-health.or.jp
  • 励ましとほめること:検診や治療が終わった後は、大げさなくらいに褒めてあげることが大切です​lifedental.jp。「よく頑張ったね!」「えらかったね!」と家族みんなで褒めれば、子どもも達成感を感じて次回の自信につながります​lifedental.jp。たとえ途中で大泣きしたとしても受診できたことを評価し、「また虫歯をやっつけに行こうね」など前向きな声掛けで終えるようにしましょう​lifedental.jp。定期的に通っているうちに子どもは次第に歯医者に慣れていき、泣かずに受診できるようになるものです​lion-dent-health.or.jp。実際、初めは大泣きしていた子でも定期検診を重ねるうちに平気な顔で通えるようになった例は多く、長期的には「歯科医院と上手に付き合える関係」を築けるようになります​lion-dent-health.or.jp

定期検診を受けない場合のリスク

反対に、子どもが定期的な歯科検診を受けずにいると、どのようなリスクがあるでしょうか。

  • 虫歯の発見・治療が遅れる:定期検診を受けない場合、虫歯ができても親が気づきにくく、子ども自身も痛みを訴えないため、発見が遅れて重症化する恐れがあります​jspd.or.jp。乳歯の虫歯は進行が速く、痛みが出る頃には神経まで達していた…ということも少なくありません​jspd.or.jp。検診を受けず虫歯を放置すると、穴が大きくなって神経の処置や抜歯が必要になるケースも増え、治療の負担(痛み・費用・通院回数)が大きくなってしまいます。また、乳歯を虫歯で早期に失うとその後の歯並びに悪影響が出ることもあるため、見逃した虫歯の代償は大きくなりがちです。
  • 口腔環境の悪化と新たな虫歯の連鎖:虫歯を治療せずに放置していると、口腔内で虫歯菌(ミュータンス菌など)が繁殖しやすい状態が続きます​tomoe-dc.net。その結果、まだ虫歯になっていない他の歯にも次々と虫歯が広がるリスクが高まります​misato-dc.jp。特に乳歯の虫歯をそのままにしておくと、これから生えてくる永久歯が最初から虫歯菌に囲まれた環境で萌出することになり、永久歯まで虫歯になる恐れがあります​misato-dc.jp。定期検診を受けていない子では、気づかぬうちにお口全体の衛生状態が悪化し**「虫歯の連鎖」が起きてしまう**ことが懸念されます。
  • 歯並びや咬合異常の見逃し:定期検診を受けないと、子どもの歯並びや噛み合わせの異常に気づく機会を逃してしまうかもしれません。乳歯の虫歯放置による早期脱落や、大きな虫歯による歯の崩壊があると、隣の歯が倒れてきて後から生える永久歯のスペースが不足し、歯並びが乱れる原因になります​tomoe-dc.net。また、成長に伴う顎の発達アンバランスや指しゃぶり等の癖による不正咬合も、検診を受けなければ指摘されず見逃される可能性があります。歯並びが悪い状態を放置すると見た目の問題だけでなく、清掃性が悪いためさらに虫歯や歯肉炎になりやすくなる悪循環を招きます​misato-dc.jp。定期検診を受けていれば早期に専門的対応ができたはずの問題を見逃すことで、将来的に大掛かりな矯正治療が必要になるケースも考えられます。
  • 歯肉炎・歯周病リスクの増大:検診を受けずクリーニングの機会がないと、歯垢や歯石が長期間蓄積しやすくなります。その結果、歯肉炎(歯ぐきの炎症)を発症しやすくなり、歯ぐきから出血しやすい状態になることがあります。子どもの頃の歯肉炎自体は軽度であれば改善しやすいものの、放置すれば思春期以降に本格的な歯周病へと進行する可能性もあります。特に矯正装置をつけるような場面でも、日頃から検診を受けて口腔衛生管理ができている子は歯周トラブルを起こしにくいです。一方、検診未受診で清掃不良の子は矯正中に歯肉炎が悪化して治療中断…といったリスクも高まります。長い目で見れば、幼少期から定期検診でプロケアを受けておくことが将来の歯周病予防にもつながるのです。
  • 歯科恐怖症になりやすい:歯が痛くなって初めて歯科医院に行く、というパターンを繰り返していると、子どもにとって「歯医者=痛いところ」のイメージが固定化されてしまいます。結果として、毎回泣き叫んだり暴れたりして治療自体が難航する、いわゆる歯科恐怖症的な状態に陥るリスクがあります。実際、「痛みが出てから初めて受診すると恐怖心が強まり、その後通院を嫌がるようになってしまう」ことが指摘されています​akihabara-dentist.jp。定期検診を受ける習慣がない子は、どうしても歯科医院=嫌な場所という認識になりがちで、将来大人になってからも受診を避けてしまう傾向が続くかもしれません。幼少期に検診でポジティブな経験を積んでおかないと、生涯にわたって歯科受診嫌いになってしまうリスクが高まると言えるでしょう。

以上のように、定期的な歯科検診を受けないことによるデメリットは見逃せません。子どもの将来の歯の健康を守るためにも、幼いうちから歯科検診を習慣づけ、予防と早期対応に努めることが大切です。​

jspd.or.jp定期検診で専門家のチェックとアドバイスを受けながらケアを続けることで、虫歯ゼロ・健康な歯並びで成長期を乗り越え、将来まで丈夫な歯を保てる可能性が高まります。ぜひお子さんの大切な歯を守るため、適切な頻度での歯科検診を心がけてください。

記載者

渡部 和則

歯科医師。東北大学歯学部を卒業後、大手歯科医療法人で分院長を務め、歯科医療の最前線で豊富な臨床経験を積む。その後、東京都あきる野市に『きらら歯科』を開院し、歯科医師24名体制の総合歯科医院へと発展させる。専門領域は一般歯科、インプラント、矯正歯科など幅広く対応し、最新の歯科医療技術を積極的に導入。また、次世代の歯科医師の指導・育成にも力を注ぎ、歯科医療の水準向上に寄与している。
患者中心の医療を理念とし、高度な医療機器の導入とエビデンスに基づく診療を徹底し、質の高い治療を提供している。

【所属学会】
日本歯周病学会|日本補綴歯科学会|日本歯内療法学会|インビザライン認定医|日本先進インプラント研究会|日本口腔インプラント学会|インプラント再建歯学研究会

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