インプラントのリスクに関しては、どんな年齢の患者の皆様にとってもすごく心配で、安全性が大変気になることだと思います。インプラントの治療を始める前には、どのようなリスク(危険性)があるのかを患者様に知っていただく必要があります。

インプラントのリスクには大きく分けて2つあります。1つは手術のリスク、もう一つはインプラント手術が終わって歯が入ってからのリスクです。

インプラント手術のリスク

 

  • 神経麻痺(Nerve palsy)
    • 手術中にドリルやインプラント体が神経などに触れることによって、損傷したり圧迫されたりすることで発生する可能性があります。
    • 事前の診査が不十分で、しっかりと顎の形状を認識できていなかった場合などに起こり得ます。
  • 血管損傷(Vascular injury)
    • 手術中にドリルやインプラント体が血管を傷つけることがあると、大量出血する危険性があります。
    • 神経の場合と同様に、こちらも治療前の入念で精密な診査によって血管の位置を正確に把握することでトラブルを回避できます。
  • 術後の腫れやアザ(Postoperative swelling)
    • 10人に1人くらいの割合で術後に患部が大きく腫れたり、アザが出現したりすることがあります。
    • ほとんどの場合は時間の経過とともに症状がよくなるのでご安心ください。

  • インプラントそのものにおける問題点
    • 以前は「インプラントに使用する金属の種類」の問題がありました。それにより金属アレルギーを持つ一部の患者は、インプラント治療は危険とされていました。
    • 現在はすべてのインプラントがアレルギー反応を起こす可能性が低い「チタン金属」を使用しているため、滅多に金属アレルギーによるトラブルが出ることはありません。
    • 以前問題といわれていたCTやMRIといった検査機器にもあまり影響することがありません。

インプラント手術後のリスク

インプラント周囲炎

インプラントの歯周病菌への感染でよく知られているのが「インプラント周囲炎」です。毎日の歯磨きが不十分だったり、手術後にメンテナンスを受けていないと、歯垢や歯石が溜まってインプラントや周囲の粘膜で炎症を起こします。さらに、進行するとインプラントを支える顎の骨が溶けてしまいます。

歯肉退縮

前歯のインプラントは見た目の問題が起こりやすいといえます。歯が抜けて外的刺激を受けなくなると、その部分の骨は痩せていきます。インプラントを埋入後も、少しずつですが骨の量が減り、それに伴い歯肉も退縮することから、周囲の歯よりもインプラントの歯が長く見えてしまうことがあります