レーザー装置の種類

歯科用レーザーとは、歯科治療に使用される特殊なレーザー装置の総称です。様々な波長や出力のレーザーが開発されており、治療内容に合わせて使い分けられます。
歯科用レーザーの種類と用途
- 炭酸ガスレーザー(CO2レーザー):
- 歯肉の切開・蒸散、口内炎の治療、歯周病治療などに使用されます。
- 止血効果や殺菌効果に優れています。
- エルビウムヤグレーザー(Er:YAGレーザー):
- 虫歯治療、歯周病治療、根管治療などに使用されます。
- 水分に反応しやすく、歯や歯肉へのダメージが少ないのが特徴です。
- 半導体レーザー:
- 歯周病治療、口内炎の治療、疼痛緩和などに使用されます。
- 携帯性に優れ、小型で扱いやすいのが特徴です。
- ダイオードレーザー:
- 歯周病治療、歯肉の切開、根管治療、口内炎の治療等、幅広く使用されています。
- 携帯性に優れ、比較的安価なものが多いのが特徴です。
歯科用炭酸ガス(CO₂)レーザー
歯科用炭酸ガス(CO₂)レーザーは、10.6μmの波長を持ち、水分に高く吸収される特性を活かし、軟組織の切開・止血・殺菌・疼痛軽減に優れた効果を発揮します。
非接触で施術でき、出血や痛みを最小限に抑えられるため、歯肉切開、歯周治療、口内炎の治療など幅広く活用されます。また、組織の回復促進作用があり、術後の腫れや感染リスクを軽減。安全性が高く、短時間で処置が可能なため、患者負担を軽減する先進的な治療法として注目されています。
歯科用エルビウムヤグレーザー
歯科用エルビウムヤグ(Er:YAG)レーザーは、2.94μmの波長を持ち、水と親和性が高いため、硬組織(歯や骨)と軟組織の両方に適用可能なレーザーです。
特に、虫歯治療での歯の切削や歯周病治療での歯石除去に優れ、痛みが少なく、麻酔の使用を抑えられるのが特徴です。また、熱の発生が少ないため、周囲組織へのダメージを抑え、治癒促進や術後の腫れ・痛みの軽減にも効果的。低侵襲かつ患者負担の少ない治療を実現する先進技術として注目されています。
歯科用半導体レーザー
歯科用半導体レーザーは、波長が800~1,100nmの近赤外線領域を持ち、歯周病治療・根管治療・疼痛緩和・軟組織の切開などに活用されるレーザーです。
特に組織の深部まで到達しやすく、強い殺菌・消炎効果を発揮するため、歯周ポケットの消毒や歯肉の炎症軽減に優れています。また、出血を抑えながら軟組織を切開できるため、外科処置時の患者負担を軽減。治癒促進効果があり、痛みや腫れを最小限に抑える低侵襲治療が可能な先進的なレーザーです。
歯科用ダイオードレーザー
歯科用ダイオードレーザーは、波長800~1,100nmの近赤外線領域を持ち、歯周病治療・根管治療・軟組織外科・疼痛緩和など幅広く活用されるレーザーです。
特に強い殺菌効果と止血作用があり、歯周ポケット内の細菌除去や歯肉の切開・凝固に優れた効果を発揮します。また、熱ダメージが少なく低侵襲で痛みを抑えた治療が可能なため、術後の腫れや不快感が軽減されます。治癒促進効果も高く、患者負担の少ない安全なレーザー治療として注目されています。
歯科用レーザーのメリット
- 痛みの軽減:
- 従来の治療法に比べて、痛みが少ない場合があります。
- 麻酔の使用量を減らすことができます。
- 出血の抑制:
- レーザーの熱エネルギーにより、止血効果が期待できます。
- 殺菌効果:
- レーザーの照射により、細菌を殺菌することができます。
- 治癒の促進:
- レーザーの生体活性化作用により、治癒を促進することができます。
- 精密な治療:
- レーザー光をピンポイントで照射できるため、精密な治療が可能です。
歯科用レーザーの注意点
保険適用となる治療と、自費診療となる治療があります。全ての歯科医院で導入されているわけではありません。治療内容によっては、レーザー治療が適さない場合があります。
麻酔は必要か?
レーザーは麻酔が必要ないと思われているかたも多いですが、すべての症例で無麻酔で済むわけではありません。
現在使用しているオペレーザーには円形スキャニング機能があり、熱を分散させることで痛みを抑えるという最新機能がついています。それでも全く無麻酔でできる症例は限られているのが現実です。

そのため当院では症例を見ながら約半数のかたに麻酔を使用させていただいたうえでレーザー治療を行っております。レーザー治療の特徴として、出血もほとんどなく傷の治りもはやく、レーザー治療後の痛みもほとんど出ないという特徴があります。