きらら歯科の小児歯科治療では、白い詰め物としてコンポジットレジン以外にもグラスアイオノマーセメントというフッ素を含む材料を使用します。

小児歯科治療の問題点
従来より、小児歯科治療の問題点として以下のようなことがたびたびありました。

- 治したところが再度虫歯になる
- 小児の場合は詰めたところが外れやすい
乳歯の再治療が多い理由として
- 乳歯は水分量が多く詰め物の接着力がそれほど発揮できない。
- 乳歯は小さいため接着面積を取ることができず、詰め物が外れやすい。
- 小児は唾液の量が多く詰め物をする際に乾燥が難しい。
- 小児はじっと治療を受けることが難しいため、詰める操作を完璧に行うことが出来ない。
- プラークコントロール(歯磨き)が大人より悪いため虫歯に再度なりやすい。
グラスアイオノマーセメントを利用しています
グラスアイオノマーセメント(GIC)は、フルオロアルミノシリケートガラスとポリアクリル酸を主成分とする歯科用セメント。フッ素徐放性があり、歯質と化学的に接着するためボンディング不要。主に小児歯科に使用されます。

当院では、むし歯の進行を抑制し、歯を強化する効果の高いグラスアイオノマーセメント(GIC)を症例に応じて使用し、ただ埋めるだけでなく歯にやさしい再発の少ない治療を心がけています。
小児歯科におすすめ
- 虫歯が多発している小児患者
- 隣接面う蝕でCR充填が難しい場合や再発が予測される場合

- グラスアイオノマーセメントはフッ素徐放性が有るため虫歯予防効果がある
- 充填操作を素早く行うことができ、小児の唾液の影響をさほど受けずに治療が終わる
小児歯科治療において、グラスアイオノマーセメント(GIC)がコンポジットレジンよりも優れている点
小児歯科治療において、グラスアイオノマーセメント(GIC)がコンポジットレジンよりも優れている点は以下のとおりです。
フッ素徐放性によるむし歯予防
グラスアイオノマーセメントは、継続的にフッ素を放出する性質を持ち、むし歯の再発を防ぐ効果が期待できます。また、外部からフッ素を取り込む性質もあるため、フッ素塗布と併用することでより高いむし歯予防効果を発揮します。
歯質との化学的接着
グラスアイオノマーセメントは、象牙質やエナメル質と化学的に結合するため、コンポジットレジンのようなボンディング処理(接着処理)が不要です。そのため、歯の質が弱いお子さまの治療にも適しています。
湿潤環境下でも使用可能
グラスアイオノマーセメントはある程度の湿潤環境でも適用可能です。唾液が多く乾燥をさせることが難しい小さなお子さまの治療においては大きな利点となります。
治療時間の短縮
グラスアイオノマーセメントは、エッチングやボンディングの時間が必要ないため動きやすいお子さまでも短時間で治療を終えることができ、負担の軽減につながります。
生体親和性が高い
グラスアイオノマーセメントはレジンアレルギーのリスクが低いため、お子さまにも安心して使用できます。
う蝕リスクの高い部位への適応
グラスアイオノマーセメントは、フッ素徐放効果によってむし歯の進行を抑えることが期待されます。
まとめ
小児歯科治療において、グラスアイオノマーセメントはフッ素徐放性・接着性の高さ・湿潤環境への適応・治療時間の短縮といった点で、コンポジットレジンよりも有利な場合が多くあります。