「CO」は、このままの歯の手入れの仕方では、ムシ歯になってしまいますよという警告です。
「CO」ですが、歯の噛む面の小さな窪みや溝の褐色状の着色、つるつるしている歯の表面(平滑面)がざらざらした感じがあったり、白濁などがある状態を指します。この状態は、直ちに治療をする必要はありませんが、学校や家庭における適切な口腔保健指導が不可欠となります。
「CO」と診断された場合は、ブラッシング(歯磨き)指導に加えて、生活習慣や食生活習慣を自ら改善するよう促します。
う歯(C)及び要観察歯(CO)の検出基準について
う歯(C):咬合面または頬面、舌面の小窩裂溝において、視診にて歯質にう蝕性病変と思われる実質欠損(う窩)が認められるもの。隣接面では、明らかな実質欠損(う窩)を認めた場合にう蝕とする。
平滑面においては、白斑、褐色斑、変色着色などの所見があっても、歯質に実質欠損が認められない場合にはう蝕とはしない。
なお、診査の時点で明らかにう蝕と判定できない場合には、次に示す要観察歯とする。
2.要観察歯(CO)の検出基準
要観察(CO):主として視診にてう窩は認められないが、う蝕の初期症状(病変)を疑わしめる所見を有するもの。このような歯は経過観察を要するものとして、要観察歯(Questionable Caries under Observation)とし、略記号のCO(シーオー)を用いる。
具体的には、次のものが該当する。
小窩裂溝において、エナメル質の実質欠損が認められないが、褐色窩溝等が認められるもの。
平滑面において、脱灰を疑わしめる白濁や褐色斑等が認められるが、エナメル質の実質欠損(う窩)の確認が明らかでないもの。
精密検査を要するう蝕様病変のあるもの(特に隣接面)。
以下出典日本学校歯科医会
日本学校歯科医会「初期う蝕」及び「要観察歯=CO」の検出基準の変更
社団法人 日本学校歯科医会
会長 西連寺 愛憲
「初期う蝕」及び「要観察歯=CO」の検出基準の変更について
年度末の候、本年はいつになく早く桜の開花の便りが届いておりますが、貴職におかれましては、変わらずご健勝にてご活躍のこととお喜び申し上げます。
さて、本会では昭和62年度の学術委員会の答申を受けて翌昭和63年度から「初期う蝕」の検出基準と「要観察歯=CO」(以下COという)の基準を定め提唱しておりましたが、平成7年度の学校健康診断(歯科)の一部改正から学校での健康診断が歯・口腔機能の健全育成を目的としたスクリーニングであることが前面に打ち出されたのを受けて、Cの度数分類をしないこと並びにCOが正式に取り入れられました。
以降7年が経ち、歯・口腔の健全育成の思想が普及定着して来たところですが、この間、カリオロジーに基づく探針使用の問題が多くの場で討議されるようになって参りました。
そこで、本会といたしましても探針の使用方法について論議を深めました結果、C及びCOの検出基準から「探針を用いて」の一文を削除し、視診での検出を主とした別紙のような基準に変更することといたしました。
しかしながら、学校の健康診断に於いては、探針を用いなければならない場面も多くありますので、探針の使用を全面的に否定するものではありません。 また、この件は文部科学省との調整も途中でありますので、国で示す学校健康診断(歯科)様式例及び同様式裏の注意書きも正式に変更されておりません。
つきましては、平成14年度の1年間をかけて貴会会員へこの主旨の普及と周知徹底をしていただき、できるだけ近い将来に新たな基準による健康診断を行っていただけるように、ご協力の程をお願い申し上げます。
この件につきましては、現在「歯・口腔の健康診断と事後処置の留意点-CO・GOを中心に-」という冊子を作成中で、その中にも触れられており、6月頃には全会員へ配布できる予定でおります。
(別紙)
COの検出基準の改正について
平成14年2月20日 社団法人日本学校歯科医会理事会にて決定
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う歯(C)及び要観察歯(CO)の検出基準(改正後)
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