歯周病について☆ 歯科衛生士 小林

こんにちは。

武蔵五日市線、秋川駅から徒歩5分の場所にあります、きらら歯科の歯科衛生士 小林です。

 

 

今回は 歯周病 についてお話しさせていただきます。

 

 

 

 

歯周病とは、歯と歯肉の隙間である 歯周ポケット から侵入した細菌が、歯肉に炎症を引き起こし、更に歯を支える骨である歯槽骨を溶かして、歯を支えられなくなってグラグラになり、最終的には歯が抜けてしまう病気です。

 

虫歯と違って痛みが出ず、気づかないうちに進行してしまうことが多いと言われています。

 

歯を失う80%以上の原因は歯周病もしくは虫歯によるものです。

 

 

 

虫歯は歯が細菌の作り出す酸によって溶かされて穴が空く病気ですが、歯周病は歯そのものではなく、歯を支える歯肉や歯槽骨に炎症性の変化が起こる病気です。

 

歯磨きが充分でなく磨き残しがあると、プラーク(歯垢) や歯石が歯と歯肉の境目に繁殖、増殖します。

 

プラークの中には、重量1mgあたり1億個もの細菌が含まれていて、唾液に含まれるカルシウムやリン酸と結合して、歯石という硬い石のような物質として歯の表面に付着します。

 

細菌はこの歯石を足がかりにして、さらに歯周ポケットの奥深くへと繁殖していくのです。

 

歯の周囲の歯肉で繁殖した細菌は、毒素を作り出します。

 

この毒素によって歯肉に炎症が生じて、腫れたり出血しやすくなってきます。

この状態から進行していくと、歯と歯肉との間に隙間ができる歯周ポケットという状態になります。

 

歯周ポケットの中は歯周病の病原菌の繁殖しやすい酸素の少ない状態であるため、歯周病原菌の繁殖はさらに進むことになります。

 

そして歯周病原菌の毒素は歯を支える歯槽骨を溶かしていき、歯がグラグラしてきたり歯肉が下がってきたり歯が抜け落ちたりするわけです。

 

歯周病の直接の原因は、歯磨きが充分でないときに歯の周りに着く汚れであるプラークに含まれる細菌です。

 

従って歯磨きの良くない人に歯周病は起こりやすくなります。

 

その他の歯周病のリスクとしては、喫煙者 は歯周病に3~8倍程度罹りやすいといわれていますし、糖尿病 の方も歯周病が進行しやすいことが知られています。

 

また金属製の冠などをかぶせた歯に隙間などがあるとプラークが付着しやすくなって、そのような歯が特別に歯周病に罹りやすくなっていることも見受けられます。

 

歯周病には、歯周病原菌 といわれる細菌が関わっていると考えられています。

 

 

主な歯周病原菌にはP.g.菌(Porphyromonas gingivalis)A.a.菌(Actinobacicclus actino-mycetemcomitans)P.i.菌(Prevotella intermedia)B.f.菌(Bacteroides forsythus)T.d.菌(Treponema denticola)などが知られていますが、このほかにも数十種類もの細菌が歯周病との関連を疑われており、他の感染症のように1種類の細菌が感染して起こるようなものではないのです。

 

 

 

歯周病は初期の段階では患者さん自身に自覚できるような症状がほとんど出てきません。

 

そのため歯周病を早期に見つけるためには、歯科医療機関で検査を受ける必要があります。

 

歯周病の早期から現れる症状の一つに、歯と歯肉との間に隙間ができる 歯周ポケット という状態があります。

 

歯周ポケットは一般には深くなるほど歯周病の程度が歯肉の入り口から隙間の底の部分までの距離を測定して重症度の判定に用います。

 

この距離を測定することを プロービング検査 と呼び、歯周病の基本的な検査の一つとされています。

 

 

測定には目盛りのついた プローブ(探針:針状の金属製の器材)を歯と歯肉のすき間にそっと差し込みます。

25g程度と非常に軽い圧しか加えませんので、痛みはそれほど感じません。

 

 

歯周ポケットは、歯周病のない健康な歯肉では1~2mm程度ですが、歯周病に罹った歯肉では4mmを超えるような深さになり、重症の患者さんでは10mmを超えるほどプローブが入っていくこともあります。

 

更に歯周病が進んでくると、歯を支えている 歯槽骨 が溶けてきますので、歯肉の下に隠れている歯槽骨の高さを調べることも必要になります。

 

歯槽骨の状態を調べるのに最も効果的な検査が レントゲン検査 です。

 

レントゲン検査は、歯槽骨の溶けてなくなった範囲や程度をかなり正確に知ることのできる検査です。

 

その他の歯周病の検査としては、歯肉からの出血の程度を調べる検査(出血指数)、歯の揺れを調べる検査(動揺度検査)、歯周病原菌についての細菌検査、などがあります

 

 

 

 

《歯周病の治療》

 

  1. 歯みがきと歯石除去

 

まず精密な検査を行って現在の歯ぐきや歯槽骨の状態、歯周病を悪化させる要因の有無などを分析し治療計画をたてます。

 

原因除去が重要ですので歯磨きの練習を行います。

 

歯磨きをすることにより、歯肉の炎症が減少します。

 

ぶよぶよして出血しやすい歯ぐきも正しく歯みがきをすることにより、かなり引き締まってきます。

 

そうすると歯ぐきの中の歯石が見えやすくなり、歯石除去が効果的に行えるようになります。

 

歯石を取ると歯石の表面や内部の細菌が減り、さらに歯ぐきが引き締まってきます。

 

 

 

  1. 修復物や咬み合わせのチェック

 

歯みがきと歯石除去で歯ぐきの状態はかなり良くなりますが、これだけではすぐに再発することがあります。

 

プラークがつきにくい、またプラークを除去しやすいお口の環境にする必要があります。

 

たとえば適合の悪い修復物などは除去しなければなりません。

 

また異常な咬み合わせがあると変な力がかかって、歯槽骨が吸収しやすくなるので咬み合わせの調整も必要になってきます。

 

更に歯周病が進行して歯がぐらぐらしている場合などは、全体のバランスや歯の価値を考えて早期に抜歯することもあります。

 

このような歯周基本治療によって歯肉の状態は改善し、ある程度安定した状態が得られます。

 

この時点で再度精密な検査を行い、状態がよければメインテナンスに移行します。

 

 

  1. 歯周外科処置

 

歯周基本治療を行っても深い歯周ポケットが残っている時は歯周外科を行うことがあります。

 

歯周外科手術を行うことにより、歯槽骨の形態を良くしたり歯周ポケットを減らすことができ、清掃しやすい環境ができます。

 

このような歯周外科を行ったあともやはり精密な検査を行い、治療効果を確認します。

 

 

  1. メインテナンス

 

歯周治療後は歯肉の炎症は減少していますが、歯槽骨による支持が十分でないこともありますので、修復物で歯を固定することもあります。

 

このようにひと口に歯周病治療と言っても症状やお口の環境によって治療の流れや期間が異なりますので歯科医師と十分に話し合う必要があります。

 

またいくら良い治療を受けても自分でしっかりとしたプラークコントロールを行わないと良くならないことを認識し、治療が終わった後も定期的にメインテナンスを受けることが重要です。

 

 

 

歯科衛生士 小林