なぜ歯は、一生に一度だけ生え変わる?  副歯科衛生士長 岡部

なぜ歯は、一生に一度だけ生え変わる?

 

 

2018年がスタートして3週間たちましたが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

 

 

さて、普段私たちが特に意識することなく使っている「歯」。

 

ほとんどの場合は、乳歯を経て永久歯に生え変わり、現在に至っています。

 

ところで、なぜ一度だけ生え変わるのか疑問を持ったことはないでしょうか。

 

爪や髪などは伸びるのに、歯だけ生え変わるというのは不思議ですよね。

今回はそんな「歯の生え変わり」の秘密を紹介します。

 

 

 

 

乳歯から永久歯への生え変わりは、無理なく大人になるためのステップです。

 

実は「乳歯から永久歯へ生え変わる」という仕組みを持っているのは人間だけではありません。

 

イヌやネコ、サルをはじめ、ほとんどの哺乳類に共通する「二生歯性」と呼ばれる生態です(哺乳類でも「げっ歯類」やゾウは除きます)。

 

なぜ、乳歯と永久歯という二段階構造になっているかというと、赤ちゃんのときは顎が狭く、最初から大人の歯を並べようとしても収まり切らないというのが理由です。

そのため、最初に生える乳歯の数は永久歯より少なく歯の大きさも小さくて、骨格が十分に成長した頃を見計らって抜け落ちます。

 

体と顎の大きさに見合った永久歯と交代するという仕組みになっているのです。

 

ちなみに永久歯の基となる「歯胚」の多くは、生まれたときには既に歯茎の中に準備されています。

サメなどの場合は、この歯胚が次々に出てくるので、何度でも歯が生え変わります。

しかし、人間の場合は通常1回分しかないので歯が生え変わるのも1回だけというわけです。

 

 

 

 

進化?退化?乳歯が生え変わらない人が増加中

 

人間の場合、乳歯は全部で20本、永久歯は親知らずまで含めると32本生えます。

しかし、現在では永久歯32本すべて自然ときれいに並ぶ人はそう多くはありません。

理由は、人間の顎が徐々に小さくなっているためで、歯が並びきるのに必要なスペースが確保できないのです。

 

また、最近では、乳歯が生え変わらないまま大人になる「大人乳歯」の人が増えているといわれています。

2010年に日本小児歯科学会が全国の7歳以上の子ども15,000人を調べた結果、10人に1人の割合で永久歯が生えない「欠損歯(先天性欠如)」の子供がいると発表されています。

 

 

その場合、生えてこなかった歯は大人になっても乳歯のままです。

 

「大人乳歯」の原因ははっきりとはわかっていませんが、1~2本程度が欠如する原因は、食生活の変化で柔らかい食べ物が中心となったことに適応した結果ではないかと考えられています。

 

 

このほかにも、顎の骨格が狭くなったことで親知らずが生えない人が増えているなど、私たちの体も長い年月の中で環境に合わせて少しずつ変化しています。

 

 

 

ご自分の歯の健康状態が気になる方は、遠慮なくご相談ください。

 

 

 

副歯科衛生士長 岡部