治療のあと、被せものの種類が多くて何が良いのか迷ってしまったという方もいるのではないでしょうか?せっかく直すのであれば見た目も綺麗に直したいというご要望はとても多く頂きます。

白い歯の治療を行う方法の分類

審美歯科治療で主に使用する白い材料には、長期的に安定している高品質なセラミック治療と、治療時間が短くて済むレジンというプラスチックによる治療の二種類があります。
そのうちのセラミック治療の中には様々な種類があり、患者様から「違いが良くわからない」と言われることがよくあります。こちらでは代表的なセラミック治療の比較を掲載させていただきます。

  • レジン治療(健康保険適用)
    • コンポジットレジン充填:レジンという複合樹脂を直接充填する治療法
    • CADCAM冠:CADCAMによりハイブリットレジンブロックを削り出し歯にする治療法
  • セラミック治療
    • セレック治療:CADCAMによりセラミックブロックを削り出し歯にする治療法
    • EMAX(イーマックス)治療:CADCAMにより高強度セラミックを削り出し焼成し製作する強度の高いセラミック治療
  • ジルコニア治療
    • フルジルコニア治療:人工ダイヤモンドにも使用されるジルコニアを使用した治療法。強度がとても強い。
    • ジルコボンド治療:ジルコニアの表面にセラミックを焼き付けた治療法。強度と審美性に優れる。

セラミック治療の分類

①セレック治療(160MPa)

歯科用CAD/CAMシステムであるセレックによって、高精度の治療が短時間で実現するのがセレック治療の特徴です。セラミックを使用するため、金属アレルギーのリスクがなく、耐久性・審美性に優れた修復物を作製できます。通常のセラミック歯科技工物は、歯科技工士がセラミックを何層も足すことで作製されます。セレック治療セラミックブロックを歯科用ミリングマシン(自動切削機)で直接削り出すので、高い強度の修復物が作製できます。ドイツの研究データによると、セレック治療の修復物の残存率は通常よりも20%以上高く、95%を超えています。コンピュータ制御で作製された高精度で耐久性に優れたセレック治療は、健康な歯を長く保ちたいという想いをかなえます。

*従来のセラミックの強度は80MPa、人間の歯の強度は140MPaと言われています。

【メリット】

  • 金属を使わないため金属アレルギーの方にも使用できる
  • 透明感がある
  • 自然に近い色合いでほとんど変色もしないため、セラミック自体が欠損しない限り白い状態を保つことができる

【デメリット】

  • 保険適用外のため費用がかかる
  • 耐久性が重要な奥歯には不向き

②E-MAX治療(350MPa)

e.maxとは、イボクラービバデント社の、歯科材料加工システムの名称です。二ケイ酸リチウムガラスを主成分としたセラミックで、歯を成形します。e.maxの主成分である二ケイ酸リチウムは、強度360~400MPa(メガパスカル)を有するセラミックで、1本の歯でクラウンを製作した場合、特に非常に高い耐久性を持つ素材です。

近年開発された、二ケイ酸リチウムガラスを主成分とする新しいセラミック素材で、強度が高いことが特徴です。e-maxは強度と審美性を兼ね備えた素材で、インレーやクラウン、ラミネートベニアなどの治療に対応しています。

【メリット】
・耐久性が高いのでスポーツなど激しい動きをする方などに合った素材といわれている
・柔らかさも兼ね備えているので周りの歯を傷つける可能性が低い
・比較的安価

【デメリット】
・長く使っていると歯の変色が起こる可能性がある
・歯の状態によっては使用できない場合もあるので相談が必要

③ジルコニア治療

一般的なジルコニアはダイヤモンドの代わりとして使われるほど、硬く、透明感のあるものです。歯科用のジルコニアは同じような成分で白く、硬く、柔軟性のある材料に改良されたものです。今までのセラミックでは強度不足だったので、金属が使われていましたが、奥歯の被せ物のジルコニアクラウンやジルコニアブリッジができるようになりました。そのため、現在ではほぼすべての治療が金属を使わずに行うことができます。ジルコニアは口の中で安定しているため変色や劣化を起こしません。口の中は酸性、アルカリ性、熱い、冷たいなど多くの環境に置かれます。ジルコニアは安定した材料のため環境の変化にも、長期間安定して口の中で機能します。

【メリット】

  • 割れることがほとんどない
  • ブリッジなどにも使用可能
  • 奥歯の治療に向いている
  • 金属より丈夫で軽い

【デメリット】

  • 素材がとても硬いので、かみ合う天然歯が傷つく可能性がある
  • 透明感が少ない

ジルコニアセラミック

ジルコニアセラミックは、現在あるセラミック治療のうち最も強度がある治療法です。現在では改良が進んでいるため従来の透明感がないジルコニアというイメージは過去のものになり現在ではかなりの透明感を持ったジルコニアが製造されています。当院では現在ノリタケ社製のKATANAを使用しております。

KATANAは使用する部位などに応じて複数のタイプが製造されています。

  • UTML=高い透光性を有している。強度が強い。前歯部で使用
  • STML=透光性と高い強度のバランスが良いもの。大臼歯で使用
  • ML=高い機械的強度を持つためブリッジの製作に使用

  • むし歯・歯周病に対する抵抗性=強い(銀歯より汚れが付きづらい)
  • 耐変色性=変色は全くおこらない
  • 強度=とても強い材料のためかけたりすることがほとんどない
  • 硬さ=天然歯より硬いためすり減ることがない。すり減るとしたら噛み合う自分自身の歯

セラミック治療

当院で使用しているセラミックは高い強度を持つemaxを使用しております。

emaxは近年開発された、二ケイ酸リチウムガラスを主成分とする新しいセラミック素材で、ジルコニアには負けますが、セラミックとしては強度が高いことが特徴です。e-maxは強度と審美性を兼ね備えた素材です。
 クラウンとして使用する際にe-maxを使用したクラウンは、クラウン全体の強度が高く、天然歯に限りなく近い透明感を持っています。

ハイブリットセラミック(当院では取り扱っていません)

ハイブリッドセラミックは、セラミックの審美性とプラスチックのやわらかさ兼ね備えた材料です。今から10年ほど前は歯とおなじようにすり減ってくれるため、かみ合わせに優しいと言われ多く使用された時代もありました。しかしプラスチックを含んでいるせいで表面が多孔性であるために、プラークなどの細菌が付着しやすいという欠点があり、当院では使用しておりません。

  • むし歯・歯周病に対する抵抗性=中程度(銀歯よりすこし劣る)
  • 耐変色性=経年的に変色していくためあまりお勧めできない
  • 強度=強い力で割れたりかけたりする可能性がある
  • 硬さ=天然歯より少し柔らかいため削れやすい。